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◎2015.09.25

亡父のタンスから出てきた現金は相続争いのもと!?

タンス預金が見つかったら触らない

 

亡くなった親の家を片付けていると、偶然にタンスの奥や戸棚から現金が出てくることがよくあります。「タンス預金」と呼ばれるものです。数万円であることもあれば、場合によっては数百万円が見つかったとよく耳にします。

 

嬉しいことですよね。

なんだか、亡くなった親から予期せぬお年玉をもらった気分になりますよね。

 

もちろん、このタンス預金も亡くなった方の資産から出ていれば、相続では遺産になります。

そして、このタンス預金。見つかったからといって手放しでは喜べない遺産なんです。

 

取り扱いを間違うと「相続争い」の原因になることもあるのです。

 

 

 

タンス預金には手をつけないで!

亡くなった方の自宅を整理していると100万円の現金がタンスから出てきたとしましょう。

出てきたお金は遺産だとはわかっていても、
 『他の相続人には後から説明すればいいし、結局、遺産分配の話合いで出てきた現金を分けるのだから、今は自分の相続分に相当する金額を先に持ち帰っても問題ないはず。』  
そう考えてもよさそうですよね。

 

それに、後から他の相続人たちに苦情を言われても

『自宅にある不用品を処分するのは、思った以上に重労働。他の相続人たちは片付けに協力もしてくれない。自分が仕事も休んで片付けたおかげで見つかったタンス預金なんだから、先に現金をもらっておいても問題ないはず!』

 

たとえば、

父が亡くなって、相続人が兄弟姉妹4名ならば、各相続人の法定相続分は4分の1づつ。

『見つかったタンス預金の現金の4分の1を先に持って帰っても大丈夫のはずさ!多めにはとっていないからね!』

と言えば問題ない、と一般的に思いますよね。

 

 

ところが、この「タンス預金」。

法律的にはそう簡単ではないんです。

 

 

タンス預金は現金なので勝手に処分はできない遺産

「タンス預金」は預金という呼び名がついていますが、金融機関の預金とは違い、あくまでも法的には「現金」であって、便宜上「タンス預金」と呼ばれているにすぎません。

 

この現金、遺産の場合は法的にはどのような取り扱いがなされるかというと、
  現金は、相続人全員の共有財産である。   
とされているのです。

 

つまり、どういうことかと言うと、
遺産分割協議が成立して初めて自己の取り分を請求できるのであって、

遺産分割協議が成立するまでの間は、

自分の相続分に相当する金銭の支払いを求めることはできないもの。
ということになるのです。

 

自宅のタンスや戸棚から現金が出てきても、

「相続分だけ持ち帰る権利がある」というのは、本来法的には間違いであって、

 

後から他の相続人から

「遺産分割協議が成立していないにもかかわらず、勝手に共有の遺産を処分した」

と主張されてしまい、

 

そのため、現金だけでなく他の遺産を含めた遺産分割協議の話し合いで、不利になってしまうかもしれません。

 

 

少しの不信感が遺産分割協議に影響を与えることも。。。

金融機関の預金であれば通帳で残高が確定しますが、

自宅から現金が見つかった場合、先に現金の一部を持ち帰ってしまうと、

「本当はもっとタンス預金はあったのではないか?」

と他の相続人らが不審を抱いてしまう可能性が大いにあります。

 

相続人らの間で不信感が芽生えてしまって、なかなか遺産分割協議の話し合いが進まない、

という事が実は実際の実務ではよくあることなんです。

 

一度、お金のことで芽生えた不信感はなかなか払拭することは難しいものです。

 

相続人らが身内だからこそ、

現金が少額であってもお互いが気持ちよく遺産を分け合うためにも

現金が出てきた場合は、特に取り扱いを慎重にしていきたいものですね。 

 

 

 

 
 (判例紹介)最高裁平成4年4月10日

相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として

保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の

支払いを求めることはできない。
 

 


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