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◎2014.08.18

相続手続きその3~生前に銀行から預金が引き出されてる!

被相続人名義の銀行の取引履歴を調べる方法は「相続手続きその2~銀行の取引履歴を調べる 」に書きました。

取引履歴を調べた結果、被相続人が亡くなる前に勝手に預金が引き出されていたことが発覚。
今後の遺産分割協議をどのように行ったらよいのでしょうか?

 

たとえば、
父が亡くなり、生前から姉が父の通帳やカードを保管。
あなた(弟)が調べた取引履歴から、父の亡くなる数か月前から数回にわたり高額の金額が引き出されていることが分かりました。
父は亡くなる数か月前から病院に入院しており、自分で出金はできない状態。

 

あなたが取引履歴をもとに姉に問いただすと、
姉は次のように答えました。

 

①「姉は父から生前に贈与として引き出した預金分をもらった」

父は自分のお金をどう使うか決めることができるので、父に判断能力があり自分の意思で姉に引き出した預金分を渡しているのであれば贈与が成立します。その後に行われる遺産分割協議では、この姉のもらった預金分を「特別受益」と考え、遺産の前渡しとしてもらったとみなすことができます。遺産総額を亡くなった時点の遺産額に前渡しで姉がもらった預金分を足し算した額として考え、相続人全員で遺産分割協議を行っていくことになります。

 

②「姉が父に内緒で勝手に預金から引き出して使ってしまった」

姉が勝手に預金を引き出したのであれば、不法行為あるいは不当利得に当たります。父が生前に不法行為を知ったならば姉に損害賠償請求を行うことができたはずで、その父が亡くなったのであれば被相続人が持っていた不法行為による損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権を、他の法定相続人が相続したとして行使することが可能になります。あなたは相続した不法行為による損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権を自己の持分について行使し、訴訟で姉に支払いを請求することができるのです。

 

 

取引履歴を調べた結果、被相続人が亡くなる前に勝手に預金が引き出されていたことが発した場合、このような2つの対応が考えられますが、いずれの場合も問題点があります。

 

 

①の場合であっても、父の認知症の症状がかなり進行していて到底父の意思によって贈与が行われることはあり得ない場合、引き出した預金の使い道を姉が正確に説明できなければ姉が勝手に預金を引き出して使った、ということになる可能性が大きいでしょう。

しかし、父の症状はどうだったのか、贈与ができるだけの判断能力があったのか、本当に父は姉に贈与をしたのか、という点は判断が難しい問題になります。

 

 

②の場合、姉が勝手に引き出して使ってしまったことを自ら認めればいいのですが、姉が「父から銀行の出金を頼まれたので出金したお金を父に渡しただけ。お金は父が使って何に使ったかは知らない」と言うかもしれません。そうなれば、本当のところはどうだったのか、突き詰めることはとても難しい点です。

 

特に被相続人の死亡直前に行われる少額の出金は、誰の意思によって、何に使われたのか、はっきりしない事がよくあります。そうなれば、通帳を保管していた相続人と、不信感を抱いている他の相続人が遺産をどのように分配するか、話し合いの場を持つことさえ難しくなります。

 

 

仮に話し合いをする機会があってもなかなか協議がまとまらず、残念ながら訴訟に発展してしまう可能性があります。そうなれば、訴訟費用もかかる上に、解決までに長い年月がかかるかもしれません。

 

そうならないためにも、被相続人から生前に預金の管理を任せられている相続人は、親族であっても「他人の財産を預かっている」という気持ちで保管をすることが大切です。そして、相続が発生した後、万が一不明金があった場合は、自ら言い辛いかもしれませんが、勝手に出金したお金の使い道を他の相続人が納得するように説明するようにしましょう。

 

隠していても何の解決にもならないのです。

 

相続人どうしの「信用そして信頼関係」が、なるだけ訴訟を避けて、相続人間で遺産分割協議をスムーズに進めて行く上での大切なポイントです。


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